残酷医療マシーン最終章




























にゃん☆













あぁ失礼した。




そんなわけで我々『残酷医療マシーン』昨日はライブでありました。

















現状考えるに世界最高峰コピーバンドでした。






唸るサイキックブルーズアツヒトリ→のベース。



踊り客席のド真ん中に拡声器片手に突っ込むユキヲ。



ラインを全て押さえ支える『ぬらりひょん』きし。



それらを片っ端から掌握して会場をロケロールビートで圧倒ミカワタナベ。



冷静に正座しながらステージ上でビールを飲むワタクシ、ミケラ。




























ほぼ全裸でセッティングを開始、照明に登りバスドラに立ち客席の知らないうら若き男の子を蹴飛ばしマイクを投げ演奏を放棄し知らない女の子をステージにあげ日本酒を全て平らげ、てかバカもうバカ。




(なんだよー楽しいじゃんかよー)






















いやぁ勝ち過ぎ。






もう一度言いますね。
















とにかく勝ち過ぎ我々。



















打ち上げは金持ってないだろうしなんか話してるし酔っ払いめんどくさいしバカだから上の馬鹿は捨てて行きました。


(なんだよー寂しいじゃんかー)











年間で考えてもまずなかなか無いくらいのライブでした。









夜になり、世界最高峰コピーバンドを終え。



打ち上げの席からタバコを買い歩きながら考える。








…………………………………………







馬鹿『いやぁやっぱあれくらいやらなきゃつまらないじゃん』





ミケラ『そりゃそうだ


















けれど知らない男の子蹴っては駄目だ


馬鹿『はははは!』





俺的にはがんじがらめ客席で2人で乱闘(細井千春が途中から参加)
が見たかったね。

















俺は初めからずっと言っている。

『おまえはそれでいい』



言う事なんかねーよ。ガキ。

(えーさびしいじゃんかよー日本酒がなくなっちゃったよー)



…………………………………………






ミケラ『さてじゃあ怒られにいくかー!』






アツヒトリ→『えぇ!俺怖いっすよ!なにやったんですか!』







平気だよ、始めっから全責任は俺が取るつもりだったんだから君らが怒られる事は無いから安心しなさい(弁償は除く)




『世界はこのくらいの事は笑って受け止めてくれるよ』


コイツは俺の家に前日泊まり左の俺のギターを必死に弾いて(全然普通に弾いてたよ)


楽しそうに。実に楽しそうに弾く。


彼の人生がそこにあるんだな。きっと。


俺は君が好きだから、どんな形でもいい。世の中に沢山笑顔を。













けどエロ漫画とエロビデオの見方についてずっと語られたおかげで雨上がりの夜空練習出来なかったんだからな貴様。
(歌詞がぬけちまったじゃねーかおかげで)








…………………………………………






きし『いやぁもう自分は途中からラインを外してもアツくんがいるし、だけど外しちゃいけないラインについては…ミカワタナベさんとバスドラが合う瞬間の気持ちよさが…それを後ろから眺めている様は…えーとだから…』

















彼の中で結論が出るまでお待ち下さい。

(『だからー…えーとつまりー…』←焼き肉食べながら何か話すきしくん、何も聞いてないユキヲ。)





そしておれは思うよ。



『君の仕事を少しでも早く抜けて(三回はやったらしい)スタジオに参加しようと言うバンドに対する気持ちがなかったら俺の中では勝てる自信がなかったよ』



なにせ一番社会人として生きてる子だからそれを理由にスタジオに来ない事も出来たんだから。


やっぱり俺の勘は正しい。



おまえら31日楽しみにしてるんで。



…………………………………………







ユキヲ『だからもうミカワタナベにはガーンと落とされて正直今回のメンバーがみんな濃いし楽器持って前にバーンと出るから、私は歌しかないしタンバリンとかスネアで絡もうとか色々考えてて…だから最初はしんどかった。』







往復三時間をかけてスタジオに行き。



ハイパー無職なのに打ち上げの金もだし(俺の方はきしくんが出してくれた)



恐らくは。



出会った当初の君ならば逃げていただろう今回のこのバンドから。



参加はしてもきっと辛い辛いと言っていたかもしれんね。



一曲目始まって客席に飛び込み客を蹴り(てかおまえも蹴ってたなそいや)木綿のハンカチーフで真面目に歌ってる最中に馬鹿が照明に登ってるからケツが彼女の目の前でプランプランしててたまらず吹き出し、『ふふふんふんふふふーん♪』鼻歌でごまかし



俺と馬鹿だけがフロントに立つと必ず殺伐としてしまうのを全部救ったと思うおまえは。





強くなったなー。






けど













『オータニとミカワタナベは私のだ』ってせめてどっちか1人に絞れ貴様。


(『私、独り身よー』←ミカワタナベ心の叫び)







…………………………………………






ミケラ『よぉお疲れ様。』




ミカワタナベ『…うわーなんかさっきやったんだよね?真っ白でなんも覚えて無い!!次もう一回あのバンドの後やろうよー!うわーもっと腕上げたらもっと凄いもの見れるんだよね!うわー!』


















あ、五月蝿い。



あっはっは。



この小娘とは立ち上げから2人でメールのやりとりしたり、色々話したりしてたから今回の残酷医療マシーンでは俺とこの娘しかわからない側面があっただろうね。
















たかだかコピーだろうが絶対圧倒してやろう。



って考えてたと思う。




それは表現だ。



それは表現の意味だ。



どんな捉え方でも出来るって事だ。



本気の意味だ。



コピーじゃねぇもんあれはもう。



正直『これは壮絶な景色が見れるかな』と思わなかったらやんわり断ってた。




君がその程度ならねー。(けっけっ)



ミカワタナベを語る時にリズムのうんぬんとか良く聞くんだけど、俺あんま無いんだよねそーゆーの彼女には。(俺が楽器まともにやんないのもあっけど)














ミカワタナベと言う人間が小理屈で曲や音を語る日がきたら『コイツしょっぱいなー』って目の前で言ってあげるから楽しみにしててね♪☆(てへり)





うん。




てかね、去年くらいからなんだかんだお互い連絡とったりしてるからあの内容をメールにする娘がそんな事言いだしたら冷めるわ。誰が認めても俺だけは。





そんな風に誠実に切実に俺は考えた結果


























彼女はこんな事になりましたが。

(色々な面から今度謝ろうかな…おじさん)


この娘もあんま言葉はいらないや。


終わった後抱き締めたかったね。
(忘れてた。)

彼女の『一回目にしか絶対無いものがあるんだ、今日は絶対他の人は見るべきだったんだ』


って言葉が全てです。


…………………………………………














人なんだよ。全ての表現は。



人間以外の動物や自然はそこになにも『これは素晴らしいだろう?』と言う事は無い。


魚はただ泳ぐし、空は青いし、山は勝手に時間が作るし、鳥はただ飛ぶ。


そこに『これは素晴らしいだろう?』と言う自我や押し付けは無い。


人間だけがそれをやる。


生きてくだけならそんなものはいらない。


音楽なんかいらないし。


絵画でお腹は満たされない。


でも人間はそんな要らない事をやる。





だから人間だけの素晴らしさがある。





自然や人間以外の動物の素晴らしさと違って醜くて転げた先の素晴らしさがある。






そう思う。
















だから俺は『多分』とか『きっと』とか『思う』じゃなくずっとやる。























僕等は早くも遅くもいずれ等しく粒子のかけらになるんです。









粒子と粒子がくっついてなんとなく呼吸が出来て生きてる事自体が奇跡なんです。







やがてその粒子達は劣化して形を変えてバラバラになろうとするんです。








そしてその粒子の集まりは物を忘れ、動きを封じ、動かなくなり腐敗してバラバラになりそれで粒子自体の奇跡については終わります。







さよならです。

















人はそれに気付いた瞬間から誰もがその奇跡的な一瞬を勇気を持ってそれぞれの形で楽しみ苦しみ全ての感覚を味合わなければ奇跡に対して失礼です。














もう一度言います。















奇跡に対して失礼です。















セッティングを終わらせてみんなステージに出て凛として時雨始める連中や、わぁわぁ騒ぐ声が聞こえる。





ユキヲが最後に『あれ?私出ていいの?』




『行ってこい』




1人控え室に残る。




始まる前からカオス。





ゆっくりと客席の方から出る。






君達は見れなかっただろう。俺は1人だけ白衣を着て『残酷』と背中に赤いペンキで書いた服を着ながら客席からしばらく好き勝手にする馬鹿な人間達を眺める。






今回俺はなんもしなかった。(せいぜい客席に突っ込み客にソロをとらせたり正座して酒飲んだりあがけ蹴ったり最後客席でうつ伏せに死んだりしたくらいだ)





俺は自分の『人間を演奏したい』をやっただけ。





何かが始まるような不穏な空気が客席にある中ステージにあがる前に






俺が思った事は。























『あぁ壮絶な風景だ』










知っていたか







その夜に雨がやんでいた事を











雨上がりの夜空を見ながら1人考える。

























rock'n'rollは死なないよ。